わたしはここにいる

 

子供の頃から

三半規管が弱い。

 

車に酔いやすいし

喘息持ちだったし

 

病気は大概

喉風邪からもらってくるし

 

喉は乾燥しやすいし

 

会社に入ってからは

冷房に負けて

ドライノーズ

副鼻炎

鼻と喉がしんどい。

 

 

年々、ダメなものや

症状が減ったりまた増えたり

 

 

とくに25越えたころから

無理ができなくなって

 

 

落ち込むことが増えた。

 

 

食べたいものも

お酒も、胃袋が追い付かない。

食べたい量と胃袋のミスマッチ

前はこんなことなかったのに

私の唯一のストレス発散を

奪われた気がして

悲しくなった。

 

そういう、ちいさな

悲しいことや落ち込みが 

重なった時期だった。

 

そこを無視して

環境を変えて

また体と気持ちを壊した。

 

私、あの時点で

もっとなにかできたんじゃないかな

もっと人に頼ればよかったのかな

そんなことを思うこともあるけど

当時はできなかったんだ。

私のことなんて誰も理解してくれない

ぼろぼろと出てくる弱音と愚痴が

あとから、しんどかったし

なによりも

みんなそうだよ

考えすぎだよ

もっとポジティブにさ

なんて類いの言葉で

ないものにされるのが

一番嫌だった。

それで打ちのめされたくなかった

だから私は環境を変えることを選んだ。

あのときはそれが精一杯だった。

 

 

 

こないだ【すいか】をみた。

木皿泉脚本のドラマ。

私が苦しいときに

人生の節目で何度もみたい

大切な大切なドラマ。

8話か9話で

スィンキングドック

というワードが出てくる。

その言葉の発端は

小林聡美の演じる信用金庫社員の基子の

同期で友人の馬場ちゃん(小泉今日子)

彼女は三億円を横領して

逃亡中。

彼女は変装したりしなかったりで

長い期間飄々と逃げている

(楽天的だったり実際はそうじゃないけどね)

たまに二人は電話で話をするんだけど

彼女は自分は死んだ人間だといい

別の土地で名前を名乗るときは

基子の名前を使っているのだ。

ある日の電話でこのスィンキングドックの話をするのだが、犬狼が安泰だけど支配される人間との生活をとるか、孤独でも自由な山での暮らしをとるか。そういう人類の歴史のなかで遠くの仲間に「自分はここにいるよ」と伝える手段として生まれたものがスィンキングドックだという話。

本題はここからで

小林聡美が暮らす三軒茶屋にある

ハピネス三茶という下宿アパートには

エロ漫画家の絆ちゃん(ともさかりえ)

大学で教える教授(浅丘ルリ子)

スリランカにいってる父親のかわりに

管理人をしている

料理上手なユカちゃん(市川実和子)

といったメンバーで暮らしている。

スィンキングドックの話を

基子(小林聡美)からきいて

教授はかつて知り合いで

その研究をしていた人のことを思い出す。

教授はかつてそっち系の研究をしてて

それを手伝っていた彼のほうが

次第にのめり込み大学をやめてしまう。

最後に確認できたのは動物学科の名簿

住所はカサブランカ

それはもう数十年前のこと

この放送回では

30代にして実家を初めて出て

ハピネス三茶で遅い自立をする基子から

子離れできない母親が出てくる。

結婚しない独身女性を子にもつ

母親を集めた怪しげなセミナーに

通いだすのだがそこで出会ったリーダーという女性の助言も基子には全く響かない

そのことをリーダーに嘆いたことで

ふたりはハピネス三茶に足を運ぶ。

そこで教授と出くわしたわけで

そのリーダーはなんと

あのスィンキングドックの研究に没頭していたあの消息不明の彼だったというのがこの話のオチだ。

 

外国で研究していたリーダー

ゲイということで

研究チームをはずされて

研究費を持ち逃げして

カサブランカに渡り女性になる手術を

受けていたと教授に話す。

この人は、基子の母親にも

群れから外れた人間を

排除する人間がいるのが

この世界というようなことを

いっていた。それは自分が受けてきた

差別の経験も含まれていたんだろう

しかし、リーダーは教授にこうもいう

失敗したかもしれない

それは女性になったこととか

いろんなことが含まれていたんだろうか

あの頃は、「自分が女じゃないから」「自分がゲイだから」いろんなそんな理由をたてに上手くいかないことを嘆いていた。

だけどちがかった。上手くいかなかったのは

「僕が嫌なやつだったから」というのだ。

 

 

そのやり取りをみたときに

そのときは自分なりの選択したつもりでも

いまだに後悔している自分の胸が痛む。

悪口や不満がたまっていく

とげのあることばで吐き出すことで

それで信頼できる人に

負担をかけていたこと、あとから

気がつく。「悪口しかいってないね」と

そんな言葉をいわれたときはショックだった。そのまえからもくもくとたまってく不安や考えに苛まれていて「あぁ、わたしこのままだとドンドン嫌なやつになる」なんて思ったことを思い出す。

 

いつのまにかすり替えてたのだ

そうじゃないと苦しくて

しょうがなかったから

 

 

明日なにが

あるかわからない

いつもどおりなんてない

永遠なんて存在しない。

 

隣にいた人が指名手配犯になるかもしれない

それすらなかったことのように

周りが振る舞うなか仕事をしなくては

いけなくなるかもしれない

居場所だった実家がとてつもなく嫌な場所に苦痛に感じる場所になるかもしれない

アイスキャンデーで

当たりをひくかもしれない

飼い猫が姿を消して

永遠に帰ってこないかもしれない

目の前で飛び降り自殺をみるかもしれない

明日死ぬかもしれない

明日地球が滅亡するかもしれない

もうどっかの家の晩御飯のカレーの

匂いもなくなってしまうかもしれない

 

これは全部【すいか】の世界での

お話をだけど。

 

私は、嫌なやつなのか

生きる屍なのか

 

死にたい生きたいも

半分半分だし

 

ささやかな希望で

保ってるし

それはとても薄っぺらい

いつ割れてもおかしくない

氷の床を滑ってるみたいな

そういう不安定さがあって

 

梅雨に入り冷房の影響で

鼻から喉のほうへと

ズルズルと流れていく

気持ちわるさ全開の

鼻水を啜りながら

 

明日、私はどうなってんだろう

 

 

頭のなかでそんな考えが霞む。

 

どうしてこんな体になっちゃったんだろ

なんて考えるし

きりがないんだけど

 

悲しくなる必要も

落ち込む必要もなく

私はただいきる。

正直いまはそれしかできない 

それ以上もできない。

 

空は晴れている

週末から電気が崩れるみたい

 

今年はどんな6月になるんだろうね

 

 

スィンキングドックはないけど

遠吠えもできないけど

ここにぶつけてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、ここにいるよ

 

 

 

 

 

 

 

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