昨日にすべて置いていこう

 

 

理不尽や他人に揉まれて

カラカラに渇き切った導火線

唐突に込み上げる怒りで息苦しいなかで

カバンから手繰り寄せたipod

そのイヤホンをせかすように耳にはめる。

これでもかという爆音で流すのは

クリープでもパイプでもなければ

合わせてクリープハイプという名のバンド

尾崎世界観という

トンチンカンな名前の人が放つ

キンキンする高い歌声と

疾走感のあるメロディー

それはとても安心する雑音で

心のなかの過呼吸が収まるかのように

やっと息が出来る瞬間

5分間×12曲の間で吸い取られる怒り

それは次第に涙に変わっていく。

その傍で

ある曲では

  

「痛い痛い痛い痛い」と連呼していく。

「居たい居たい居たい居たい」とも連呼していく。

 

 「もう見ての通り立ってるだけでやっとで

 思い通りにならないことばかりで

 ぼやけた視界に微かに見えるのは

 とってつけたみたいな

 やっと見つけた居場所」と唱え

  

 

最後には極めつけに「居たい」と25回叫び倒す。 *1

 

 

 

別の曲では

 

「大丈夫、アタシ今日はヒマだから

アンタ、側に居てあげるから」と始まり

 

 

「大丈夫、アタシ今日はヒマだから

本当はそんなにヒマじゃないけど

大丈夫、1つになれないなら

せめて二つだけでいよう」と歌う。*2

 

 

 

夢ばかりはみてられない。

このクソみたいな世界で

 

自分中心の世界で生きている他人と

私の世界で生きる私

それぞれにある常識やモラルや

ふぞろいなそれぞれのものさしや正義

それが時に人を傷つける。

なにも知らない癖に

「若いんだから○○すべき」

「こういう場面なんだからどうたらこうたら」

「~だから」

「~すべき」

「こうあるべき」

 

その人の事情なんて知りもしないくせに

知ることもなく自分の主観客観という

一番過信してアテにならないソレで

自覚のない通り魔みたいに傷つける。

 

そこから零れだす

憎悪や怒りや悲しみや理不尽

 

 

爆音で流れるクリープハイプのアルバム曲は

あっというまに涙で

カラカラだった

導火線を湿らしていく。

 

 

そもそも「怒」とは「女」「又」「心」と書く。

あるいは「奴」に「心」とも書く。

知恵袋先生いわく、

「又」自体には体の「股」も意味はないらしい。

手を書いた象形文字とのことらしい。

「奴」は「手で労働する奴隷」=「粘り強い」

というニュアンスでそこに「心」が合わさると

「心を強く緊張させる」ジワジワと来る

心のストレスになっていくという意味をもつと知恵袋先生。

一文字変えて「努」になると

「粘り強く力を入れること」になっていくと知恵袋先生。

 

この語源を借りれば

私の導火線は心と密接に繋がっていて

私に関していえば幼少期から人よりも

周りと関わることに緊張感とストレスを感じる節が強い。

自分のなかの人よりも敏感な感受性を揺さぶられるのが

ひどい形で言葉で避けられなかった出来事で

崩されないか、そういう恐怖が付きまとう

 

人には言葉にしずらいそういった緊張感を

抱えて生活していたこと。

たまに制御できない怒り、悲しみ、涙も

全てまるで自分の体じゃないみたいで

ずっとずっと怖かった。

そのたびにクリープハイプに救われていた。

クリープハイプを聴くという行為で

自分で自分を救っていた。

物質的に依存する縋ることの

周りの冷たい目とか罪悪感なんて

クソくらえで

 

 

根性論を唱える輩は

遠い昔、他人の根性論に

打ち倒されてきた人かもしれなくて*3

 

自分が自分を

救うこと

守ること

逃げること

 

 

自分で自分を大切にできないヤツが

人のことなんてなんにも

言う資格などそもそもない

 

 

涙で湿った自分の導火線を見て思う。

 

 

 

悪意のない毒のある

今日浴びせられた言葉

それを口にした知らないどこかの誰か

どんな顔だったかすら

初めから、さほど覚えていなかった。

 

 

だからまるごと昨日に置いていけばいい。

 

 

今日は明日昨日になる。*4

 

 

 

 

1つになれないのなら、

 

せめて二つだけでいよう。

 

 

 

 

 

 

 

*1:【百八円の恋】の歌詞。(アルバム【ひとつになれないなら、せめて二つだけでいよう】収録、映画【百八円の恋】主題歌<主演:安藤サクラ

*2:【大丈夫】の歌詞。(アルバム【ひとつになれないなら、せめて二つだけでいよう】収録

*3:人それぞれでしょうが強迫観念のように押し付ける強要されるものなら従う必要もない、やり方や考え方は個人の自由

*4:【エロ】の歌詞。(アルバム【ひとつになれないなら、せめて二つだけでいよう】収録